104人の解析で、肝疾患の重症度に対応する腸内細菌叢の再編を示唆
成人104人を対象にした解析で、脂肪肝炎の活動性や線維化に関わる非侵襲的指標FASTスコアが高いほど、異なる腸内細菌叢の群集状態と対応する傾向が見いだされたと研究グループが発表した。

FASTスコアと細菌の組み合わせを統合解析
研究グループは成人104人の腸内細菌叢データとFASTスコアを統合し、細菌の組み合わせを群集状態として扱うエネルギー地形解析を行った。
発表によると、低・中間・高FASTに対応する状態群には異なる特徴的な細菌があり、一般的な多様性指標はこのデータではFASTスコアとの有意な相関を示さなかった。
CSIと探索型因果構造解析も用いて候補細菌を調べたが、横断データと統計的推定による結果であり、因果関係や臨床での有用性は証明していない。
これまでの研究では、疾患群間で個々の細菌の増減や多様性の違いを比べる手法が中心だったとされる。
今回の発表は臨床的な前後比較ではなく、腸内細菌叢の変化が肝疾患の進行を引き起こすことも示していない。
この解析は、重症度に伴う変化を多様性の一律な低下ではなく、複数の細菌の組み合わせが入れ替わる群集状態の移行として捉えた。
さらに、特定の群集状態と各細菌の結び付きを数値化する群集形成指数(CSI)を新たに導入した。
横断データで因果は証明できない
この結果が追加研究で支持されれば、肝疾患に関わる腸内細菌叢を、細菌の増減や多様性だけでなく、細菌の組み合わせから成る群集状態として調べる視点を加えることになる。
候補となった微生物の意味や実用性には、長期追跡研究や介入実験が必要だ。
情報元
- 理化学研究所 研究成果肝疾患の重症化に伴う腸内細菌叢の「シフト」を解明元記事を読む →