がん細胞由来の一酸化炭素を細胞内で抗がん活性分子へ変換
研究チームは、培養ヒトがん細胞が生む一酸化炭素(CO)を原料に、細胞内で抗がん活性を持つ分子を合成したと報告した。
試験した正常細胞株では影響が大幅に小さかったとされるが、結果は細胞培養実験に限られ、人での安全性や有効性を示すものではない。

培養がん細胞内で活性分子を合成
研究チームは、生理的条件でも反応性を保つことを目指したアルブミン-パラジウム複合体を開発した。
報告によると、この複合体を培養ヒトがん細胞に導入すると、細胞内のCOと反応してフェナントリジノン誘導体が生じた。
別に設計した複合体では、MCF7乳がん細胞とHepG2肝臓がん細胞の内部でオキシニチジン誘導体を合成し、実験で細胞増殖を抑えたとしている。
これと直接比較できる従来の臨床治療成績は、今回確認できた情報だけでは分からない。
一方で、パラジウム錯体はグルタチオンなどの分子により、生理的条件下で反応性を失いうることが課題として説明されている。
研究チームは、アルブミンで保護したパラジウム錯体により、培養したヒトがん細胞が生む一酸化炭素をフェナントリジノン誘導体へ変換したと報告した。
抗がん活性を持つオキシニチジン誘導体については、MCF7およびHepG2のがん細胞で活性が示され、試験した正常乳腺細胞株TIG3への影響はほとんどなかったとしている。
細胞増殖の抑制と人の治療効果を分ける
がん細胞に関連する代謝物を、細胞内で抗がん活性分子をつくる原料として利用するという実験結果である。
ただし、現段階は細胞培養での実証であり、人への治療効果を示したものではない。
情報元
- 理化学研究所 研究成果がん細胞が生む一酸化炭素から抗がん剤合成に成功元記事を読む →