IBDの臨床的寛解中にも腸組織の細胞死脆弱性、研究が示唆
炎症性腸疾患(IBD)で症状が抑えられている人の腸組織にも、異常な細胞死に対する脆弱性が残る場合があることを、900点超の腸生検を調べた研究が示唆したと報じられている。

生検組織とオルガノイドで細胞死を比較
ScienceAlertによると、研究チームはIBDの人とIBDではない人、計80人から得た腸生検組織を調べた。
IBD患者の組織では、細胞が破裂して炎症を促しうる細胞死の一種「ネクロプトーシス」に関連するシグナルが、目立った炎症のない組織を含めて確認されたという。
一方、人の試料から培養した小型腸組織モデル「オルガノイド」に炎症シグナルを与えると、主にアポトーシスという秩序だった細胞死が起きた。
試験条件下では、ネクロプトーシスを阻害しても細胞死は止まらなかった。
IBDの臨床的寛解は病気の活動性が落ち着いた状態を示すが、それだけで腸の内壁にある基礎的な生物学的変化まで正常化したかは判断できない。
報じられた研究では、臨床的にコントロールされたIBD患者の組織で細胞死に関連するシグナルが見つかり、炎症シグナルにさらしたオルガノイドでは別の細胞死反応が主に起きた。
小規模な追跡解析は、このマーカーが個々の再燃を予測できることを示してはいない。
寛解と腸内壁の回復を分けて考える
症状が改善した後にもIBDが再燃する理由として、腸の内壁が完全には回復していない可能性を示す手掛かりになる。
ただし、こうした仕組みを阻害して患者の再燃を安全に防げることは示されておらず、追跡調査の結果も予備的なものとされる。
情報元
- ScienceAlertWhy Does IBD Keep Flaring Up? Scientists Found a Clue in The Gut Lining元記事を読む →